仕事中の参戦

　「いやあ、とてもすごかったです。冗談での参戦かと思って助手席に乗ったら、いとも簡単なことのように飛距離のあるドリフトを繰り出したんです」。と声を失うのは助手席に同乗した長野県松本市在住の男性(25)。「さらにすごかったのは、走行中、終始高らかに笑っていたんです。スーツ姿にスクーター用のヘルメットと運転席の人物は日常的な格好なのに、フロントガラス越しに見える光景は『非日常』でした」と青い顔で証言する。

　さまざまな証言を総合す

駐車場にずらりと並べられたロードスター。この日は50台以上が集まった。クラブの活発な活動ぶりが分かる。

ると、この人物は同県高岡市在住の男性。この日、急ぎの仕事があったにもかかわらず、会場に観戦に駆けつけたらしい。「他人の助手席に乗ったことで彼のドライビングに対する熱い心が燃え出してしまったようです」と前述の男性は話す。

ストレス発散？

　別の人は「楽しそうに笑う姿がすごいキュートだった」と語るが、彼をスーツ姿の参戦させた上、高らかに笑わせたものは何だったのだろか。ある消息筋の話により、この男性は５月中旬から愛車に乗っておらず、ＦＦの買い物車やハイブリッド車しか運転していないらしいことが分かった。愛車に乗れないことと、FR車を運転していないストレスは相当なものだったらしく、このことが「くるくるとサルのように滑らせた」(本人談)の原因だったとみられる。それにしても、笑いながら当然のことのように飛距離のあるドリフトを繰り出すこの男性、ただ者ではない。